ズボン
ズボンとは衣服の一種で、下半身の下着を身に着けたその上にはくものである。また下から二またになっている。ベルトやサスペンダーなどで留められる。
名称
同様のものは、場合によって、スラックス、トラウザーズ、パンツなどと呼ばれることも多い。また、種類ごとにジーンズ、チノパン、カーゴパンツなどとも呼ばれる。
現在は、「ズボン」という呼び方は、以前に比べてあまり使われなくなってきている。例えば、「パジャマのズボン」、「スウェットのズボン」、「子供用ズボン」、「半ズボン」などという使い方が主となっている。
「ズボン」の語は、フランス語で「ペチコート」の意味の「jupon」から来ているといわれる。 ほかに、江戸時代末期に、穿く時に鳴る音の擬音「ズボン」から名称ができた、いう説もあり、これは『トリビアの泉』にて取り上げられた。ただし、全くの作り話とする説もある[要出典]。
なお、日本語では「跨」とよばれる
歴史
イラン人やスキタイ人(アケメネス朝のペルシア人も含む)のようなユーラシア大陸の放牧民は、後にハンガリー人やオスマン人によって近代ヨーロッパに伝達されることになるズボンをはいていた最初の民族であると考えられる。またケルト人も、古代ヨーロッパでズボンをはいていたと考えられる[要出典]。
古代中国では騎兵だけが着用していた。紀元前307年に趙の武霊王が、北方の遊牧民族の習慣をまねする形で乗馬に適したズボン式の服装を初めて取り入れた。
日本でも3世紀頃より直垂というズボンと同じ形式の着物が存在した。
古代からヨーロッパの文化に歴史上の要所で紹介されたが、用いるのは貴族階級に限られ、一般人にまで普及したのは16世紀以降の近世からである。
ズボンの英名であるTrousersという単語は中世アイルランドのtriubhas(体にぴったりとしたショートパンツ)から来たゲール語を起源としている。
男性のズボンと女性のズボン
男性のズボン
英語のTrousersが単数形ではなく複数形なのは、15世紀に男性たちが着用していた別々のホース(hose:中世貴族が着ていたタイツ)がその起源だからである。ホースは作成が容易で、上部にあるポイントと呼ばれるダブレット(Doublet)に紐で固定しやすかったが、時を経るにつれ2つのホースは結合されていった。最初は後ろが結合され、表側も結合されていったが、衛生的な機能のために大きな解放部がまだ残されていた。元々はダブレットがほぼ膝まで届く長さとなっており、陰部を効果的に覆い隠すことができたが、流行が変化してダブレットが短くなり、男性は生殖器をコッドピース(codpiece)で覆う必要が出てきた。
16世紀末になるとコッドピースはホースと一体化していた。この筒は現在では通常ブリーチ(breeches)と呼んでおり、だいたい膝までの長さがあり、フライフロント(比翼)やフォールフロントといった開閉機能を有していた。
フランスの男性はフランス革命当時、上流階級の膝丈のブリーチの代わりに、足首までの長さのあるズボンやパンタロン、今日では登山などの時にはくニッカーボッカーのようなキュロットという膝丈あたりまでの衣服といった、労働者階級の衣装を着ていた。
このスタイルは19世紀初期にイングランドへと伝わった。伝えたのはジョージ・ブライアン・ブランメルと推測されている。19世紀中頃までファッションストリートの流行服としてブリーチに取って代わった。ブリーチは若い学生によりプラスフォアーズ(plus-fours)や運動着とするためのニッカーズ(knickers)として1930年代を生き延びた。
水兵は世界中のファッションとしてのズボンを普及させる役割を担ったと推測される。17世紀から18世紀にかけて、水兵はガリガスキンズ(galligaskins)と呼ばれるだぶだぶのズボンを着用していた。水兵はまたデニムで作られたズボンであるジーンズを最初に着用した人々でもあった。これらはがっしりとしていて頑丈だったため、19世紀後半にアメリカ西部でさらに一般的になった
女性のズボン
20世紀後半になるまでズボンは女性のファッションアイテムにならなかったが、100年前には屋外作業用として男性のズボンを、サイズを直して着用し始めた。
ヴィガンのビットブローガールズ(pit brow girls)は危険な炭鉱での仕事のためにズボンを着用し、それがヴィクトリア朝の社会を憤慨させた。彼女たちはズボンの上にスカートを着用し、それをめくりあげてウエストで固定した。
19世紀アメリカ西部の牧場で働く女性もまた乗馬のためにズボンを着用し、また20世紀初期には女性飛行士などの女性もよくズボンを着用していた。女優のマレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)とキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)は1930年代からズボンをはいた格好で写真をとり、ズボンが女性にも受け入れられる一助となった。第二次世界大戦中には女性が工場で働いて戦争のために男性の仕事を行うときに、その作業内容によりズボンを着用していた。そして戦後になるとガーデニングやビーチなどのレジャーや娯楽のためのカジュアルウェアとして容認されるようになった。
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